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キスが止まらない
 
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7.「好き」の繰り返し(緋依視点)

昼頃って約束したのに、元春は12時前に来た。

「ずいぶん早いね。昼ご飯食べた?」
私はすぐに元春を部屋に通した。
「ついさっき朝ご飯食べてきた」
休日にゆっくり朝を過ごす元春は想像できる。
私はと言えば、休みの日でもあまりペースを変えない。

約束よりも早く着いて、元春はちょっと照れたような顔をしてた。
最近はもうすっかり私に懐いていて、いちいちする事が可愛い。

「えっ…」

部屋に入るとすぐに、元春は私を後ろから抱きしめた。
不意打ちの後ろからハグで、元春相手に私はドキドキしてしまう。

「何…?」
「うん…」
そう言って元春はあごで私の髪を分け、うなじにキスしてくる。
(あっ……)
元春の唇は、彼にとって私の唇がそうなのと同じで、特別だった。
この感触。
(何なの、元春のくせに)
「あっ…、首、舐めないで」
「うん…」
そう返事を返したのに、元春の唇は私のうなじを這う。
ギュっとしていた手が上がって来て、胸を触る。

「ちょっと、何触ってんの」
「いいじゃん、たまにはオレにも触らせてよ」
(あん…)
元春の息がかかる首筋が、ゾクゾクした。
私の体に、元春からプレッシャーがかかる。
じわじわとベッドに寄せられ、押し倒された。
今日のコイツは、ヤル気だった。
それがすごく伝わってくる。

「んんっ……」

元春が私の唇を求めてくる。
この柔らかい感触。
なんで、普段はガサツな男のくせに、こんなにここの感触はいつもは優しいんだろう。
元春の舌が熱い。
私も舌を出す。

「ん…っ…、ん…」
お互いから漏れる声。
舌のからむグチョグチョした音が、いやらしい。

長いキス。
私が下になっているから、口を開けている元春の唾液が舌を伝ってどんどん流れて来る。
私の唾液と混ざって行き場を無くしたそれは、嫌でも私の喉に入ってしまう。
喉の奥を鳴らして、私はそれを飲んだ。
(ああ…どうしてだろう…)
嫌じゃない。
嫌、じゃなくて、元春の息や、元春の唾液、精液まで…。
私は元春が出す全てのものが、嫌じゃなかった。
こんな感覚は不思議だ。
普通なら嫌悪してしまうはずの全ての物が、元春のは違っていた。

「ひより…」
唇を離して、元春はものすごく色っぽい目で私を見た。
一瞬、その色気にほだされそうになったけれど、私は彼をいつもどおり強い視線で見返した。
「ねえ、言っとくけど私、今日生理だから無理よ」
「え~~……」
あからさまに落胆する奴。
「何だよ、今日は絶対ヤろうと思って来たのによ~」
相変わらず発言にデリカシーが無い。
「何勝手にヤル気になってるのよ」
私は元春を睨む。

「ヤりたいよ、オレは、いつも……ひよりとしたいよ」

その目も、言い方も、すごく可愛かった。
(やだ、元春……すごいカワイイ…)
元春の下で、思わずキュンとしてしまう。
やる事がいちいち幼い男子みたいだったのに、いつの間にか男になっていて、それなのに私の前では昔と変わらない少年みたいで。
(私もしたいのかな…)
元春の唇がまた重なってくる。
彼のキスは、飽きない。
元春の口、舌、唇、歯…多分全部好きだ。

さっきからずっと、服の上から胸を触られていた。
キスのどさくさで、なし崩しに元春は触れてくる。


上着の中に手が入って来る。
あ、と思った次の瞬間、上着をめくりあげられる。
手首のところまで脱がされた上着ごと、元春は私の両腕を上げる。
「やっ……、何」
元春は片手で楽々と、私の両手首を掴んでいた。
その力は強くて、無防備に脇をさらしている格好のせいもあって余計に抵抗できない。

「オレ、いつもお前にこんな感じでヤられてるんだけど」
元春にしては、意地悪な笑い方だった。
そんな彼の表情に、またドキンとさせられる。
「エッチできないんだったら、できるとこまでさせろ」
元春がブラジャーをしている私の胸を、じろじろ見ている。
「やっぱ、デカいなお前」
左手は私の両手を強く押さえたまま、右手で私の乳房をブラの上から触る。

「触っていい?」
「もう触ってるくせに、何言ってんの」
私は体をよじったけれど、腰をしっかり元春にホールドされていて動かない。
「ちゃんと触りたいから……、こっちの手、離していい?」
私の手首を掴んでいる手を、元春はギュっと握った。
「………」
答えに迷う私の唇に、元春はまたキスしてくる。

「んうっ…う……」

元春の舌が、しつこいくらい私の唇を何度もなぞった。
右手は私のブラの中に入っていて、乳房を掴んで揺さぶる。
(ああ…もう…)
抵抗する気も無くなってくる。
今日の元春は完全にその気で来ていた。
この部屋に入って来た時から、いつもは私に遠慮して引っ込めている、男の部分全開だった。

(もう、今日はいいかな……)

色々と抗えなくなってくる。
(元春を可愛がるのは、後でもいいや)
私は無意識に時計を見た。まだ12時半。
と言うか、30分以上、キスしてたんだ。
(固くなってるんだろな…元春)
元春のキスを受けながら、私は彼のそこを想像した。
生理なのに、奥から別のものが溢れてくるのが分かる。

手を解かれ、あっという間にブラを取られた。
ボロっと放り出された乳房が、元春の下で揺れる。
「あーー、すっげーー、お前の胸」
(もう、バカ…)
ムードも何も無い、小学生みたいな元春の反応に、ちょっと私はゲンナリする。
だけど次の瞬間、そんな思いも吹き飛ばされた。

「可愛い…ひより…」

耳元で、元春にささやかれた。
吐息の混ざったその声があまりに色っぽくて、私は思わず首をブルっと震わせた。
「すごい…、可愛い……」
「あんっ……」
声が漏れてしまう。
首筋にキスされてる。
彼の柔らかい唇の感触が、吐息と混ざって、触れられる度に首筋がビクビクと反応しちゃう。
彼の両手が、私の乳房を掴んで、ゆるゆると揉みしだく。
元春からは想像できない、その優しい触り方に、不本意なのに私は興奮してしまう。

元春の唇が、首筋から鎖骨に移る。
鎖骨の下、そこから乳房になるであろう曖昧な場所に、元春はキスしてくる。
「ああんっ……」
今までさんざん元春へいやらしい事をしているのに、元春に感じさせられるのは恥ずかしかった。
私は唇をかんだ。
元春が、私の両方の乳首を指でつまむ。
(ああ……ダメ…)
乳房に沢山キスされている。
キスマークを付けられているのは、何となく分かってた。
逆らいたいのに、逆らえない。
元春の指も舌も優しすぎて、私から抵抗する力を奪って行く。

「あぁ…、はぁっ…」

もっとガっと来られるかと思ったのに、意外にも元春はゆっくりと私を愛撫してる。
中学の時に離れて高校で再開するまで、それなりに経験してきたんだろうって事は分かってた。
だけど思っていた以上に、元春は落ち着いていた。
そんな彼に、大人の部分を見つけて、私はまたドキドキしてしまう。
(元春なのに……)
乳房を動かすみたいに揉まれるのは、すごく気持ちが良かった。
乳首を触って欲しくて、求めるみたいにその部分が固く立ってしまう。

私の鎖骨から首へ戻り、あごから唇に、元春の唇が帰ってくる。
「んん……」
また入ってきた舌に、私も舌を絡ませる。
(なんて気持ちがいいんだろ…)
乳房を触られて、キスされる事がこんなに気持ちがいいなんて知らなかった。
元春のキスはいつも気持ちが良いけれど、今日はこれまでのキスを超えた。

「ん…、ん…」
キスする元春も吐息が漏れる。
彼の両手が、私の頬を触った。
顔を包まれるようなその優しい手の感触に、たまらなく甘いものがこみ上げてくる。

息の混ざった色っぽい声で、元春は言った。
「オレ、この唇……好き」
「ん……」
「この舌も……、この頬の感触も……、好き」
「うん……」
好きという部分をかみしめるようなその囁きに、胸がギュっとしてしまう。
「お前は…?」
「うん……私も……、元春のキス…好き」
また唇が軽く触れあう。
キスする時、本当にチュって音がするんだなと私は思う。

「ひよりの耳も、……好き」
「あっ……」
息を吐かれながら耳を舐められて、私はまた震えた。
元春は小声で、ささやき続ける。

「柔らかい耳たぶも……、好き…………好き……ひより…」

脳の奥まで届きそうな、元春の声。
「元春っ……はあっ…」
(すごい……、何か…ああ……)

小さな声でささやきながら、元春の唇はまた首へと降りる。
鎖骨から、そして強く乳房にキスして…。

「ああんっ…!」

やっとされた乳首へのキスに、私は思わず足が跳ねた。
元春の口の中で、彼の舌が私の乳首を転がしているのが分かる。
「んあっ……、ああんっ…」
もう声は、我慢できなかった。
乳房を揺らされながら、柔らかい舌で愛撫される乳首。
そこから送られる感覚が、すごい。
(ああ……気持ちいい……)
「気持ち良かったら、オレの名前呼んでよ」
元春は一瞬顔を上げて、言った。
そんな彼と目が合う。
元春のイっているところだって何回も見ているのに、知らない男の子みたいだった。

ギュっと乳房を握られて、乳首を舌で舐められる。
もっといやらしい事をしているのに、自分がされるとこんなに感じてしまうなんて。

「ああっ…、元春っ……、もとはるぅ…」
「すっげ…可愛い、……ひより…」

乳首を舐めている、元春の口からいやらしい音が漏れる。
(ああ……気持ちいい…どうしよう……)
全然触られていないのに、下半身がキュっとなる。
自分で入れたその力に、ビクンと体が反応して、また奥から溢れてしまう。
(ああん…元春……気持ちいいよ…)


「うあ…元春……、元春……」

無意識に彼の髪を掴んでいた。
多分、私は軽くイってた。

 

   

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