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心に薔薇の赤、両手に棘を
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9.トオル

年を越した後はそれぞれ予定が忙しく、新学期が始まっても3人で会うことはなかった。
寂しさを感じながらも、泉は心のどこかで少しほっとしていた。
「成人式か…」
トオルとアキラは大学2年なので、今年が成人式だ。
その日を彼らがどう過ごしたか、泉は知らない。


1月も後半に入ったある日、トオルから今から会えないかと唐突に連絡があった。
「どうしたの…?急に?」
「泉ちゃんに急に会いたくなってさ…。それじゃ、ダメ?」
可愛い目でトオルにそう言われると、泉は少しドキドキして嬉しくなってしまう。
トオルは部屋で勉強していたらしい。
ソファーの前のテーブルに、本やノートが散らばっている。
いつも情事を行うその場所に、そのようなものがある事に泉は違和感を感じた。
「ちょっと今、時期的に忙しいんだよな。オレらの勉強って、マジで大変だからさ」
トオルが愚痴る。彼には珍しいことだ。
「コーヒーでも入れてあげようか?」
「あー、サンキュー泉ちゃん」
トオルはソファーの回りを片付ける。
本はまたすぐに開けるようにテーブルの隅に置いていく。
そのきちんとした置き方にトオルの几帳面な性格が出ていた。
「アキラは、最近どうしてるの?」
「あいつはいろいろあるからな…。この前もちょこっと学校で会ったけど、あんまり話もできなかった」
「ふうん…」

トオルもアキラも医学生だ。
アキラは精神科に進むという、トオルは産婦人科だそうだ。
(こんなお医者さんがいたら、ホントに嫌だなあ)
アキラに関してはまだしも、トオルに対しては泉は本気で思った。
「オレ、一番興味があるのが、女の体だから」
トオルは笑って言う。
「あたし、トオルの病院だけは行かない」
「ひでえ。なんでよ?」
「何されるかわかんないから…」
「何だよー。ひっでぇー」
トオルは泉に抱きついた。
すぐに泉の唇の中に、自分の舌を入れてくる。
泉は体を求められているのを、とっさに悟る。
「トオル…」
「んん?」
「あたし、今日生理ひどくて…。エッチできない…」
「あ、…そうなんだ?」
トオルはあからさまにがっかりする。

「大丈夫?」
トオルが体を離しながら聞いてきた。
「うん。そんなに生理痛はひどくないから」
再び泉は彼に抱き寄せられる。
しばらくキスしたり抱きしめられたりした。
泉はトオルに手を握られる。
その手はトオルの下半身にひっぱられた。
「トオル…?」

「泉ちゃん、して…」

トオルはズボンのファスナーをおろした。
勃起しているペニスがあらわになる。
トオルに両手で顔を挟み込まれ、泉は導かれるように下半身の方へ下りた。
熱いものに唇を寄せて舌で先の方を舐める。
片手を添えて、口の中へ大きくなったものを入れた。
トオルに髪を撫でられながら、泉はソファーの下に膝をつき、頭を動かした。

「すっげ、泉ちゃん…うまくなったね」
トオルが言う。
泉の髪に触れるトオルの指に力が入る。
「あぁ……すっげ、…いい……泉ちゃんの口…」
トオルは腰を動かしていた。
泉は頭を抑えつけられて、彼のモノを喉の奥まで咥えさせられる。
(く、…苦しいっ……)
トオルは更に腰を動かした。
「んぐっ……、ぐっ…ん、んんっ…!」
泉はトオルを咥えながらむせる。
「あぁ…出すよ…」
強く抑えつけられ、トオルのモノが奥に当たって泉は軽く吐きそうになる。
「んんっ……んぐぅ…」
(イヤ……トオル…)
トオルは泉の口内に、自分のものを放った。



なんとなく釈然としない気分だった。

今日、突然トオルに呼び出された。
勉強中の彼の性欲を処理するためだけに、泉は彼の部屋へ行ったようなものだ。
それはいつもと同じなのかも知れない …行動だけを考えれば本当はいつもそうなのだ。
彼らとの関係は、互いの性欲を処理することが本来の目的と言えば、実際にそうなのだろう。
今日はその事実をいやがおうにも思い知らされて、泉は少しショックを受けていた。
その目的に色をつけるように、食事に行ったり、少しドライブをしたり…。
彼らと会う約束をして会って、セックスをしなかったことは一度もなかった。
アキラと偶然会った、あの時以外は…。

高校生の時に付き合っていた二つ年上の先輩を思い出す。
すぐに卒業した彼は大学生で、同級生と比較すると自然と大人の付き合いになっていた。
(その時も、会う度にエッチした…)
結局、二股をかけられて別れた。
自分は体だけを求められていたのではないかと思い、落ち込んでいた時期もあった。

その頃の付き合いと、今の彼らとの関係と、何が違うのだろうか?

(男女交際って、結局こういう事なの…?)
空虚な感じが拭い切れない。
誰かを好きになってそして愛されるということが、泉にはよく分からない。
(アキラは、どうなの…?)
いつも淡々と自分の相手をするアキラ。
クリスマスの夜以来、もう1ヶ月近くも会っていなかった。
(会いたい…)
でも、泉はアキラの電話番号も知らなかった。どこに住んでいるのかさえも。


アキラが来ないので、最近はいつもトオルと二人だ。
しかしトオルと二人きりでこういう行為をするというのが、最近の泉には少し辛い。
以前はトオルと二人で付き合うことを夢見たときもあったが、現実にずっと二人きりだと泉は彼が少し怖かった。
会う回数が増える毎に、トオルの目的が泉の『女』の部分だけだという事がよく分かってきたからだ。
そしてそれが分かっているのに、トオルから求められると拒否しきれない。
怖いぐらいに与えられる快感を、泉の体も求めていたからだ。


「よう、久しぶり」
「アキラ…」
泉は嬉しくなっていた。
1ヶ月ぶりにアキラに会えたのだ。
やっぱり3人というバランスが、泉にとってはいいのかも知れない。
「お前が忙しかった間、泉ちゃんは可愛がってやったぜ」
トオルがアキラに言う。
アキラがちらっと泉を見る。
泉はバツが悪くて、目を反らしてしまう。

久しぶりに二人の男に体中を愛撫されて、和泉は何度も軽く達していた。
「相変わらず、いやらしいな、泉は…」
アキラが泉の性器を舐めながら言った。
「んぐ…うぅ…」
口にトオルのものを咥えさせられて、泉は声が出せないまま感じていた。
四つん這いにさせられトオルを口にほおばりながら、下半身にはアキラのものを受け入れた。
トオルは腰を振り、泉の口の中に自らを擦る。
泉は苦しさにむせそうになりながらも、膣を責めるアキラの動きに感じていた。
上も下も塞がれて、泉はその異常な状況に興奮してしまう。
苦しいぐらい動くのは、トオルのものだけではなかった。
久しぶりのアキラの大きさが、泉を激しく揺さぶった。

「可愛い顔に…」
トオルは自分のものを泉の口から引き抜くと、泉の顔面にむけて放出した。
「ああっ!…ああんっ…」
トオルのものが引き抜かれた泉の口元からは、大量に唾液が零れる。
そして目を閉じて、泉はトオルの出したものを顔中で受けとめてしまう。
トオルは泉の頬に自分の精液を自らのペニスで塗り広げた。
屈辱的な行為。
泉はアキラに貫かれたまま、トオルの匂いを感じる。

(ああ…いやん…)

「あぁっ、…あぁぁんっ…!」
口が自由になり、泉から大きな声が漏れる。
「アキラ、泉ちゃんの両手持てよ」
すっきりした様子のトオルが二人を見て言った。
アキラは泉の両腕を後ろに廻し、自分の方へ引き寄せる。
自然に泉の上半身が後ろに反り、持ち上がっていく。
泉は不安定な姿勢のまま、アキラに突きたてられる。
アキラと泉の体が打ち合わさる音が響いていた。
泉の豊満な乳房も、アキラの動きに合わせて上下に揺れる。

「あっ、あ、…あっ、…あああんっ…」

顔を汚したまま、泉は官能の声を上げる。
「すげえ、いやらしいなあ…この姿…」
トオルはアキラに貫かれている泉を見て、感嘆の声をあげた。
アキラもまた、久々の泉の中を堪能していた。
「久しぶりのアキラは、いいか?」
トオルが泉に聞く。
「はあ、…う、…ん…」
よがり声なのか分からないような声で、泉が頷く。
「もっとはっきり言ってやれよ」
トオルが促す。
「はぁ…アキラぁ…あ、あ、…き、気持ち、いいぃ…」
アキラは掴んでいる泉の両手をさらに自分の方へ引き寄せて、強く挿入を繰り返した。
(壊れちゃう……ああっ…大きいっ…)
「ああん!…あ、あ、あっあっ…あ、あっ…ア、キラぁぁ…はうぅ…」
泉の体が大きく揺さぶられる。

トオルは太めのバイブをとり、アキラに後ろへと引っ張られ膝立ちをしている泉のクリトリスに当てた。
「ふあぁっっ!…あっ、あ、だ、だめぇっ!…」
肉芽を刺激された泉の内部がアキラを締め付ける。
トオルは空いた手で泉の乳房を揉んだ。
柔らかい乳房にトオルの指が食い込む。
玩具はすぐに泉の愛液で汚される。
ベットリとしたそれを、トオルは泉の口の中へ押し込んだ。
「んんっ…ぐっ…んぐっ…」
トオルはバイブを泉の口へ出し入れする。
その間、指で泉のクリトリスを触って弾いた。
「んん!んぐぅっ!…」
「すげーよ…エッチだなぁ…泉ちゃんは」
両手をアキラに後ろ手に掴まれているので、玩具が出し入れされるたびに泉の口からは涎が零れた。
泉の顔からは汗が噴出し、渇いた精液と混ざった。
顔面を汚し口にバイブを咥え よがる泉の姿を見てトオルは興奮してくる。
「泉ちゃんの口、まるでおま〇こだな…」
トオルは玩具のスイッチを入れ、しばらく泉の口にゆっくりと出し入れした。
つい先刻自分がこの口を味わったことを思い出す。

「んぐっ……んぐっ…」

(いやあ……あああ…)
久しぶりに彼らからされる陵辱的な行為に、泉は夢中になってしまう。
興奮して自らが締まるたびに、アキラの大きさを感じた。
(気持ちいい……ああ…)
トオルはバイブを泉の口から抜き、再びクリトリスに当てる。

ヴィーン……

その場所に触れると、単調な機械音が微妙に変化した。
(やあ…ああ…ダメえ…)
泉はこの場所が本当に弱い。
そしてただでさえ異常とも言えるほど敏感なそこに、玩具の刺激を与えられると彼女はひとたまりもなかった。
「はう…だめぇぇっ、あ、あぅ、あうっ…あぁぁっん…」
大きいアキラのものに貫かれながら、肉芽を容赦なくバイブの振動で責められる。

(だめ、変になりそう…だめ…下半身がおかしくなる…)

既にアキラの動きだけでも達してしまいそうだったのに、粒にあてられる小刻みな振動が泉の理性を飛ばしてしまう。
汚された可愛い顔が快感に歪んで、乱れる。
「あーー、あーー、ダ…メ…もぅっ…あああーーっ…」
深いところまで抉るその動きで、大きなペニスは泉の子宮口まで叩く。
泉のそこにも、大きな快感を生む箇所があった。
自然に腰が動いてしまう。
アキラをぎゅうぎゅうと締め付けて、泉は自ら更なる快感を求めた。

トオルは泉の襞にバイブをしっかりと挟み込ませると、玩具自体を細かく上下にも揺すった。

「いやぁっ!ダメ!…ダメぇ!…それ、は…!…あっ、あんっ!」

体の内側と外側の刺激が一つになり、渦を巻いて泉の全身に駆け巡っていく。
自然と泉の目から涙が零れ落ちた。
急激に意識が遠のいていく。
感覚がなくなり、頭の後ろの方が次第に白くなっていくのを感じた。

(ダメ…また…あたし………)

トオルは泉の陰唇に挟まれたバイブのスイッチを更に上げる。
アキラが泉の奥へ放つのと同時に、泉はまた失神した。

 

   

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