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心に薔薇の赤、両手に棘を
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2.関係

自分の部屋に戻り冷静になると、自分の身に起こった事は本当に夢のような気がした。
(嘘よね…あんなこと…)
とにかく、着替えて落ちつきたかった。
「あ……」
パンティーをはいていないことに気づいた。
(夢じゃない…)
急に現実感を伴って、先程のことが思い出される。
「いや…」
何だか、自分にまだ男性の匂いがたっぷり染み付いているような気がした。

(いやあ……)

(もうあんなことは、しない…絶対…)
拒否するどころか、自分から悦びを求めてしまった…。
意識が朦朧とするまで、二人に感じさせられてしまった自分が情けなかった。


その夜、泉は夢を見た。
やさしい表情のトオルと、いつも強気のアキラとで、3人で白い部屋にいた。
3人はそれぞれに手を握り合い、気持ちのいい薄緑色の空気が流れていた。
二人は泉に声をかける。
「泉」
「泉」
その度に泉の体は反応し、彼らの呼びかけだけで感じてしまうのだった。


朝起きると、泉はシーツを汚すほど濡らしてしまっていた。
(そんな…やだ……)
泉は自分の体が急激に女として目覚めさせられてしまったことを、必死で否定しようとしていた。
もうすぐ21歳になろうとしていた。



背後の車道でクラクションが鳴った。
「泉ちゃーん!」
大声で名前を呼ばれる。
「誰?知り合い?ベンツだよー?」
「でも中の人もかっこいいよお」
女友達が言う。
大学からの帰り道、振り向くとトオルだった。

「………」

泉は思わず赤面してしまう。
「あー?もしかして彼氏?」
「違うよ!」
友人からの言葉に、泉は慌てて強く否定した。
「なあ、なあ、泉ちゃーん!」
繰り返し名前を叫ばれる。
「もお…。ごめん今日はここで、また明日ね……バイバイ」
友人たちに挨拶しながら、トオルの車の方へ走った。
「今帰りでしょ?泉ちゃん」
トオルは仲の良い男友達のように気安く泉に接してくる。
「もお、やめてよー叫ぶのは!」
そんな彼に戸惑いながらも、ついトオルのペースに巻き込まれてしまう。
「まあ、乗って乗ってほら、早く!」
トオルに促されて、泉は仕方なく車に乗りこんだ。

「会いたかったよ。泉ちゃん」

赤いシャツにGパン、そしてサングラス姿のトオルは、白いスポーツタイプのベンツに乗っていた。
普通の彼氏だとしたら、きっと友人に自慢できるに違いない。
(だけど…違う)
助手席に乗った泉の手が緊張で冷たくなる。
横目で見た景色の向こう、駅が見えてきた。
「そこで降ろして」
「警戒してる?もしかして?…大丈夫だよ。この前みたいに無理やりやっちゃったりしないからさ。」
ベンツは駅を通りすぎ、走っていく。
泉の声が震えた。

「信用できない」

「この前は最高だったよ…。泉ちゃん。また楽しもうよ」
“泉”と呼ばれる度に、先日見た夢を思い出してしまう。
(ダメ……もうトオルとアキラに会うのは)
頭の裏側から、本能が危険信号を出す。
「いや…絶対にダメ」
泉は首を振った。
「嫌なら絶対に何もしないからさ、とりあえず、お茶でも飲もう」
普段と変わらない態度のトオル。
(こうしていたら、高校までの印象のままの普通のトオルなのに…)

自分はレイプされたのだ。

今目の前にいるこの男に…。
でも本人を目の前にすると、現実感が益々薄くなる。
元々、泉はトオルに好意を持っていた。
後輩として自分を慕ってくる姿が可愛らしく、上級生つまり自分達の同級生の評判もなかなか良かった。
トオルは接する相手を安心させる柔らかい雰囲気を持っていた。
「ごめん…この前のこと反省してる」
神妙にトオルは語った。
「……」
どこまで本気なのかは分からなかったが、泉の中に昨晩の恐怖心はもうなかった。


トオルは自分のマンションの前に、車を停めた。
思わず泉の体が固くなる。
ここに来ると、先日の事が鮮やかに甦ってきてしまう。
「あんなこと、絶対にダメだから…」
「分かってるよ」
トオルに手を引かれ、部屋まで入ってしまった。
泉はそんな自分をバカだと思う。
頭で否定しながら、体のどこかで期待している自分がいた。
(イヤ、…ダメだってば…)
そんな考えを必死で否定していた。
部屋を見渡すと、この前のことがありありと思い出されてくる。
(ここで縛られて、ここで二人に…)
意識しない内に、体の奥が熱くなり始めていた。

(一体何をしに来てしまったんだろう)

早くも後悔していた。
「その辺に座ってよ」
キッチンからトオルが言う。
泉は薄いグレーのソファーに腰を下ろした。
目の前には、ベットがある。
ソファーに座ると、ちょうど横を向いたベッドが正面に見える。
先日の残像が、そこにあるような気がした。

(だめ…あたし無防備すぎる…)

トオルが氷の入ったグラスを目の前のテーブルに置いた。
「……」
帰ろう、と泉の腰が浮きかけた時、ふいに呼び出し音がなった。
トオルがドアを開けに行く。
「よお…」

アキラが入ってくる。

「……!」

「この前は手荒なことしてゴメンな、泉ちゃん」
泉は固まってしまった。
自然な流れで、アキラがソファーの泉の隣に座ってくる。
その瞬間、泉はビクッとしてしまう。
アキラは泉のそんな姿を横目で見た。
肩まである髪をかきあげながら、アキラは言う。
「トオル、おれにも何かくれ。今日暑いよな。ノドカラカラ」
アキラはすぐにタバコに火をつけた。
骨ばった指に、厳ついシルバーの指輪をしていた。
腕にもシルバーのアクセサリーが何重にも掛かっている。
(派手な子……)
泉は改めて私服の彼を眺めた。
そんな視線を感じてか、アキラがゆっくりと笑いかけてきた。
その表情はセクシーで、男の色気を感じさせる。

「あ…」

アキラの手が泉の膝へ、自然な動作で置かれた。

「やっぱり来てくれたんだ…」
「ちょっと…。触らないで」

にやにやしながらアキラは手をどかし、泉の目の前にあるグラスをとり、飲みはじめた。
「あー、それ泉ちゃんに出したのに」
トオルがグラスを二つ持って戻ってきた。
「しょうがないな。もう」
トオルはアキラの反対側に泉を挟んで座り、グラスのウーロン茶を飲む。
「……」
二人に挟まれた格好になってしまい、泉の頬が赤くなる。
トオルの手が泉のあごに触れると、顔を自分の方へ引き寄せた。

(あっ……)

泉はトオルにキスされてしまった。

トオルは泉の口の中へウーロン茶を口移しした。
「んん…んんん…」
「ちゃんと飲まないと、洋服を汚すぜ」
嫌がる泉を見ながら、アキラは言った。
顔を動かせない状態のまま、アキラが泉の半そでのカーディガンを脱がす。

(や……んん…)

口の中に冷たい液体が注がれ、仕方なく泉はそれを飲む。
ウーロン茶の味はわからなかった。
すぐに泉のキャミソールは胸の上までめくりあげられてしまう。
アキラは素早く、泉の肩ヒモのないブラジャーをずり下ろす。
抵抗できない状態のまま、あっという間に泉の乳房が露わにされた。
トオルが注いでいた飲み物が途切れ、やっと泉の口が自由になった。

「や!……いや……」

泉は胸を触っているアキラの手を払い退けようとした。
「ホントに、嫌なのか?」
アキラは泉の可愛らしいピンクの乳首をつまむ。
トオルは再び泉にキスした。
「んぐ……」
濃厚にキスされ、泉はまたしても抵抗できなくなっていた。

(どうして、こんなところへ来たの…どうして…)

泉は自分でも薄々理解していた。
――― また二人に抱いてほしかったのだ。
「嫌じゃないよなあ、…泉…」
アキラが泉の乳房を舐め始める。

(う…ああ……)

乳房を這っていた舌が乳首に到達し、泉の先端をころころと転がした。
(ああっ…)
泉の体に刺激が走る。
更に乳首が固くなっていくのが自分でも分かった。
トオルがもう片方の乳房をゆっくりと揉む。
トオルの舌を口の中に感じながら、泉はもう自分は後戻りできないと思った。


アキラの右手が泉のスカートの中へ入ってくる。
ストッキングを履いていない腿の内側をそっとなでられた。
泉は体をビクッとさせ、脚を閉じようとした。
「んん……」
乳首をくわえたまま、アキラの右手は泉の脚の深いところまで届きそうだった。
左手は肩にまわし、泉のうなじを、そして耳をなでていた。
トオルは左手で泉の左の乳首をいじりながら、彼女の額に手を当ててまるで口から食べてしまいそうな勢いで泉にじっとりとしたキスをしていた。
アキラは泉のパンティーを脱がさずに、布地の横から指をすべりこませた。

(あ……だめ…)
トオルにキスされたままだったが、敏感なところにアキラの指が触れてきたことで泉は少し我に返る。
しかし、もう戻れなかった。

グチュッ…

アキラはいきなり指を入れてきた。

「んん……んぐっ…」
既に泉からは愛液が溢れ出しており、彼の指を簡単に受け入れてしまう。
アキラは泉の膣の入り口付近で、軽く出したり入れたりを繰り返した。
その度に甘い刺激が泉に伝わってくる。
「んん…はああ…」
クチョクチョと、あそこから音が漏れた。
「可愛い…泉ちゃん…」
トオルが唇を離した。
彼女をじっと見る。
泉はもう目を閉じてしまって肩で息をしていた。
「嫌だったら…何もしないよ…泉ちゃん…」
意地悪にトオルが言う。

「どうする…?ねえ…泉ちゃん」

アキラは乳首の愛撫をやめ、穴の周りをいじっていた指を肉芽の方へ滑らせた。
「はああっ……」
スイッチが入ったように体が跳ね、思わず泉は声をあげてしまった。
アキラはその芽をゆっくりと上下に撫でる。
「して欲しいのか、はっきり言わないと、やめちゃうぜ」
アキラがささやいた。
「はあっ…はあ…はあ……」
「どうする…?泉」
アキラは触るか触らないかぐらいの緩い刺激を、泉に与えた。
(ああ……ああ…)
泉は、もう、して欲しくてたまらなかった。
「やめようか…?」
指の動きが止まる。

「……やめないで……」

こんな風に自ら求るように言わされるのは、本当に屈辱的だと泉は思う。
しかしそれさえも官能を高めるスパイスの一つになってしまう。
「して欲しかったんだろ…。また、俺達に…」
アキラは泉を自分の方へ向かせる。
泉はもう全く抵抗できなくなっていた。
「…やあ、……言わないで…」
恥ずかしさで目に涙をためながら、泉は言った。
その薄く開いた目は、官能に満ちていた。
「ああ…泉…」
たまらなくなり、アキラは泉にキスする。
びしょびしょになったパンティーを、トオルが膝まで下げていく。
そして彼女の足をそっと開いた。
スカートはめくられ、泉の局部は丸見えになる。
ブラジャーはウエストの位置まで下げられ、豊満な乳房の上にキャミソールがひっかかっていた。
肩にかかる栗色の髪が、汗ばんだ首筋に張りつく。
服を着たまま、二人にそうされているその姿はとても淫靡だった。
「このままじゃ、ソファーに染みができちゃうな」
トオルが言った。
アキラに抱きかかえられて、泉はベットへ連れて行かれた。


泉は、二人の思うままだった。

全裸にされ、アキラに体を貫かれながら、肉芽をトオルに弄られる。

「あう!…はあああ…あ!んん…」

泉はもう声をガマンすることもせずに、二人の前で恥ずかしい姿を曝け出す。
二人に色々なところを弄られて、全身が敏感な性感帯になっていく。
「うあっ、うっ、うぅっ!」
足を持ち上げられて、激しく突き動かされる。
「ああっ!イクっ……だめぇぇっ…!」
一人が果てると、別の一人が泉の中へ入ってきた。
「うあぁ…あぁぁんっ…」

(ああ……ああ…もう……もう…ああ……また…)


それは、果てのない悦楽だった。

途切れずにセックスを繰り返され何度も達し、泉の下半身は感覚が変になってくる。
しかし若い二人はすぐに復活し、交互に泉の中へ 肉の塊を容赦なく突き立てた。

アキラはつながったまま、泉を鏡の前まで抱きかかえ、結合している部分を泉に見せた。
「ほら、見ろよ」
泉は薄目を開けて鏡に映った自分の姿態を見る。
「やあ…、ああああ…」
開かれた脚の中心、自分の性器に男性のものがしっかりと差し込まれていた。
たくさんの液体が溢れ、それは口を開いて大きな男性のものを受け入れてしまっている。
そのあまりの淫靡さに、泉は思わず目をそむけてしまう。

「すごいだろ…泉のここ…、すげえいやらしくなってる…」

「いやあ……あああ…、ううう…」
自分の性器にこんなにも大きな男性が入ってしまうのが、信じられなかった。
そこは涎を垂らし、ペニスを飲み込んでいた。
(こんな姿……だめ…)
乱れている自分。
泉自身の想像を超えて、その姿はいやらしすぎた。
そしてそれを目の前に付きつけられる事で、泉の興奮はますます高まってしまう。

「ひゃううっ…はあ!うう…」

「泉……」
アキラが動きを強める。
「あっ、あ、あ、…ああ、あっ、はあっ…ダメっ…」
何度も達しているのに容赦なく突き回され続けて、泉は性感は剥き出されていた。
ほんの少しの動かれるだけで、体中に響いてしまう。
「や、あ、あ、ああ、…」
既に泉のそこはドロドロになっていた。
(ああ……どうしよう……、おしっこ出ちゃうかも…)
下半身はジンジンと痺れ、体中に汗をかいていた。
「はう…、んあぁぁ………、あ、あ、ああ…イク……イクっ…」

溶けるような甘美の海の中で、泉は流され続けた。



「すごいね。泉ちゃん」

ぐったりしている泉にトオルが話しかける。
ベットの上でうつぶせになり、股間はもちろん体中を濡らしたまま泉は放心状態になっていた。
「あたし………、もう…、ダメ……」
アキラは下着姿で、髪をふいてシャワーから出てきた。
ソファーに座り、タバコをくわえる。
「泉、何回イッた?」
「……わかんない………もう…」
疲れた声で泉は返事をした。
「あの日から、そのことばっかり考えてたんだろ?」
意地悪にアキラは言う。
「…違う…」
枕に顔を埋め、泉は否定するが本当はあの日のことばかり考えていた。
「うそつきだな」
ベッドに座っていたトオルは泉の背後から彼女の腰を掴んだ。

「いやああ……」

泉の抵抗は口先だけだった。
トオルは泉の腰を持ち上げ、うつ伏せで膝をつかせる格好にする。
この姿勢だと、お尻を上げた泉のあそこが丸見えになってしまう。
「こんなにまだ、濡らしてるよ…」
トオルは泉の亀裂に指を這わせた。
「やあああ……あああ…」
泉は余韻でビクビクと体が震えてしまう。
「ほら、……こんなネバネバして、糸ひいちゃうじゃん」
トオルはわざと、クチュクチュと大きな音をたてた。
「ここ、何でも入っちゃいそうだよね…」
泉は陰毛で囲まれた両方の唇を、トオルの指で思いきり開かれた。
そこは、まだ粘ついた液体が大量に溢れている。
トオルは指を泉の膣にゆっくりと差し込んでいく。
その指は、簡単に肉の間に飲まれていく。

「や…、もう…ホントにダメ……限界…」

泉はお願いするような声を出した。
「泉ちゃんのここ…、ずっと見てみたかったんだよね…」
おしりの穴から前の方まで全て晒されたその部分を見て、トオルは思わずため息をついた。
「どんな形とか、色とか、してるんだろうって……想像してた」
トオルは秘唇に入っている自分の指を、ゆっくりと動かす。
「泉ちゃんはみんなの憧れだったんだよ?……先輩のココは、こんなにいやらしかったんだね」
トオルにじっくりと泉の性器を眺めた。
「もう…ダメ…そんなに見ないで…」
「泉ちゃん、一緒にシャワー行こう。全身ベタベタしてるよ」
指を抜くとトオルは泉を引っ張り、シャワーへと連れて行った。


(アイツ…風呂場でまたやるつもりだな…)

泉を連れて風呂場へ行くトオルを見て、アキラは思った。
自分自身は、今日は3回射精した。
時間をかければもっと回数はこなせるが、短時間だったのでさすがに疲れていた。
(アイツはやる気満々だな…)
フっと笑いが漏れてしまう。
以前からアキラよりもトオルの方が、女に関してはマメだ。
誘うのはトオルの方が上手い。
トオルのソフトな人当たりに、女は気が緩んでしまうのだ。
自分でもその魅力を充分に理解していて、トオルはアキラよりも大勢の人数と行為を重ねていた。

対称的な魅力を持つアキラとトオルは、一緒に女を誘えばほとんど成功する。
トオルと比べるとアキラは冷たく見えたが、見た目以上に女に対して実際はドライだった。
アキラは、女を鬱陶しいと思うこともよくあった。
…自分の生活のペースを乱されたくないのだ。
女とは、体だけの関係でいいと思っていた。
実際今でも、呼び出せばすぐに割り切って自分の相手をする女を何人かキープしている。
しかし、そんなアキラにもどうしても手に入れてみたい女がいた。
―――― それが泉だ。
高校の先輩で、後輩の憧れの的だった泉。
テニスという露出の多いスポーツをしている泉の姿を見て、一度やってみたいと、冗談半分でよくトオルと話していた。
真面目で純粋そうな態度に、童顔にも思える可愛らしい顔。
そしてそれに似つかわしくない女の体。
大勢の女を相手にしている二人には、泉の内に潜在する魅力に薄々気付いていた。
何度かアプローチをしたが、簡単に手に入る女たちとは違い、泉はなかなかまともに相手をしてくれなかった。


そしてあの夜、実力行使したのだ。

してしまえば、必ず自分たちの思うようにする自信が彼らにはあった。
自分達はそれだけの経験をしていたのだ。
そして、実際に泉は彼らの手の中へ落ちてしまった。


「僕が洗ってあげるよ」
トオルは裸の泉の体にシャワーを浴びせた。
「はあ…」
ぐったりとして泉は息をつき、トオルのされるがままになっていた。
「お腹の辺はべとべとだな」
シャワーをあてながら、トオルは泉の肌をなでる。
恥毛のあたりに、精液の固まりができていた。
「これはどっちのかな?」
トオルはお湯で流しながら、そこを手でこする。
「や…ん…」
泉の両脚のももの真ん中あたりまで、自らが出した愛液がねっとりと付着していた。
「ここは、特に汚れてるからね」
「……」
泉は、思わず真っ赤になった。
「そこに脚を開いて座って」
トオルは浴槽のふちを指差した。

「ほら、早く…」

泉は言われるがままに、浴槽のふちに腰掛けた。
全てにおいて、もう彼らの言いなりになってしまう。
座った泉の、その脚をトオルが開こうとする。
「だめ……じ、自分で洗うから…いい…」
明るいところで冷静に見られてしまうのが恥ずかしかった。
「いいじゃんよ…泉ちゃん…さっきさんざんやったのに、今更」
しばらくそんなやりとりが続き、結局トオルは泉の脚を開いてしまった。

「すごい、まだ溢れまくってる…」
トオルは自分の指をふっくらとした泉の亀裂の間に挟みながら、シャワーでキレイに流していった。
「やん…、やあ…」
我に返っている泉は、恥ずかしくて顔をそむける。
亀裂に挟まれた指は、そのまま泉のおしりの方まで滑り下がっていく。
「あっ…」
「泉ちゃんのここ…、洪水がおさまらないみたいだね」
どんなにシャワーで流しても、トオルの指が行き来する度に泉から溢れて出てきてしまう。
「泉ちゃん、止まらないの?ここ」
「トオルが、…そんな風に、するから……」
「こんな風に?」
トオルが泉に指を差し込む。
「あっ、…あうっ……んん…」
トオルは差し込んでいる指をそのまま前の方へ折り曲げた。

「ああっ!…あああうん…」

泉が甘い声を上げる。
「ここ、気持ちいいでしょ?泉ちゃん…」
「あ、あ、…ああっ、ああっ…」
トオルはぐりぐりと指を折り曲げながら、内部の前方へと刺激を繰り返した。
泉から新しい愛液が分泌され、亀裂を伝って下へ流れ落ちていく。
体内の敏感なところを的確に刺激されて、つい先刻何度もイった体から再び甘い痺れが起こる。

「んあっ、んあああ…んああっ…」

泉の愛くるしい顔が、快感で歪んだ。
「ここ、Gスポットって言うんだよ。覚えておいて、泉ちゃん…」
体の奥がふるふると震えていた。
「これからこの先、ここを何度も刺激してあげるからね…」
「うっ!はうっ…!…んんん、…ああっ!」
「あんまりするとまたイっちゃいそうだから、この辺りで止めておくよ」
トオルが指を抜いた。

はあはあと息をしている泉を見ながら、トオルは言った。
「これ、見てよ…」
泉が目をやると、トオルのものがすでにしっかり大きくなっていた。
「オレってすごいよな、さっきあんなにしたのに」
自分のものを指差して、トオルが笑った。
「泉ちゃんそこに手、ついてくれる?」
逆らうことができずに、泉は浴槽に手をついた。
自然にお尻がトオルの方へ向いてしまう。
(また、入れられてしまう……)
しかし、今の刺激で泉の体にはもう火が点いていた。
途中で中断された快感の芽は伸びようとして、体内でその時を待ち、疼いていた。

「うあああああ……」

泉は思わず声をあげてしまう。
トオルがゆっくりと中に入ってきた。
「泉ちゃんのここは、ホントによく締まるね」
これ以上もう入らないところまでしっかり入れ込んで、トオルは言った。
「これ、子宮の入り口だよね、泉ちゃんの」
トオルは腰をグっと突き出し、内部の泉の壁を叩く。
「あああああ……」
自分の内がヒクヒクとしているのが、泉自身にも分かる。
「もう泉ちゃんの全部、食べちゃいたいよ…」
そう言うと、トオルは動き出し自らのもので泉の中を掻き回した。
「はああんんっ!、あうっ、あんっ、あんっ」
泉の体は、あっという間に高ぶってしまう。

(もう…あたし…)

トオルが出たり入ったりするたびに、泉はいやらしい悦びの声を上げた。

(だめ…、…もう…あたしじゃ…ないみたい…)
「ああううううう…」

(あたしの体じゃないみたい……溶けちゃう……気持ち、いい…いいっ…)

もう後戻りできない。
こんな快感を覚えてしまったら、もう…戻れない…。
泉は自分の体がどんどん敏感になっていくのを感じていた。
初めてこうされた時よりも今日の方が、そして先程よりも今の方が。
快楽が自らの器が溢れるほど、その零した分だけ次のセックスで余計に感じてしまう。
まるで肉体が快感を求めて、内から触手を増やし伸ばしていくようだった。
そしてさらに求めてしまう。

「ああ、泉ちゃん…かわいい…いいよ…、オレも、すごい…いい…」
「はうっ、…あう、はぅっ、あぅあああ…」
自分ではないような、官能の声をあげてしまう。
「気持ちいいだろ?泉ちゃんも…」
トオルは夢中で泉に突き立てる。

「…ん…、…いい…ああ…っ……いいっ…トオルぅっ…」


泉は、すっかり素直になってしまっていた。
もう、完全に二人の思うままにされていた。

 

   

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