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「はぁっ…」 水城くんの腕の中で、あたしは大きなため息をついた。 すごく…感じちゃった…… あたしは処女で、今日が初めてだったのに。 最初ちょっと痛かったけど、その後は気持ちいい方が勝ってしまった。 手からくる快感は、腕を抜けてあたしの体の中心へと集まっていった。 … そしてその場所には、水城くんが入っていた。 それがあたしの体へと性感を増幅させて、そしてまた背中へと抜ける。 すごい感覚だった。 あんな感じになっちゃうなんて。信じられない。 終わった後、腕全体が痺れてた。 ホントに、すごかった…。 水城くんとあたしは、ラブホテルのソファーにバスタオルを巻いて並んで座っていた。 あたしはまだ体に余韻が残っていて、飲み物を持つ手さえ変な感じがした。 「落ち着いた…?」 水城くんが言った。 そう言う彼は、初体験が終わってかなり落ち着いたみたいだった。 あたしを気遣う様子も、ホテルに入ったときと比べて随分優しい感じがした。 「うん……だいぶ」 あたしは飲みかけのペットボトルをテーブルの上に置いた。 水城くんを見ると、彼と目が合う。 「……」 あたしは何だか気恥ずかしくて、ちょっと笑ってしまった。 「…なんか…」 あたしは小声で言った。 「ん?」 すっかり普通の様子の彼。 こういう間、男の子は恥ずかしくないんだろうか。 「……なんでもない」 あたしは言いかけた言葉をひっこめた。 「……やっぱり手が感じちゃうんだな」 しばらく雑談した後、言おうとしてたことを水城くんから言われた。 「うん……」 手が感じるからセックスが感じてしまったと言ってしまえばそうなんだけど、やっぱり結ばれた喜びは強かった。 これまでにあたしは何度も、水城くんとエッチすることを想像していた。 彼のことを考えて、自分を慰めてしまったことだってある。 手がこんな風になってしまってから、…水城くんと『実験』って言って公園で会ったあの日から、あたしは随分とエッチな子になってしまったと思う。 「せっかくホテルにいるんだし」 「?」 あたしは水城くんが何を言い出すのかと思った。 「『手』、また試してみようよ」 明るいまんまの部屋。 目の前には、水城くん。 あたしは彼と付き合う事をいつからか夢見ていて、そして結ばれる事をもっと望んでいた。 だからこうしているだけでも嬉しくて、そしてすごく恥ずかしい。 「………」 黙ってると、キスして欲しくなってくる。 そんな事ばかり考えてしまう。 (もう………) やっぱりあたしって恥ずかしいなって思う。 そんな時、水城くんがあたしの手首を掴んだ。 そして自分の頬に手を当てるように導く。 「……」 あたしはそっと彼の頬に手のひらで触れた。 「………」 「………」 彼が優しい笑顔になる。 あたしは戸惑ってしまう。 「大丈夫、みたいだな」 「……ああ、うん…」 あたしは頷いたけど、もう『手』の実験なんてどうでもいい気がしていた。 ただ水城くんに触れて、そしてキスして、彼に抱きしめられたかった。 彼はあたしの右手を上から触って、そっと唇で触れた。 「…っ、…それはダメっ…」 手を触られただけで、首の後ろがゾワっとしてしまう。 神経過敏、そんな感じ。 「そうだったよな…」 水城くんはあたしの手から自分の手を離した。 あたしは彼の頬に手を触れたまま、そのままうなじの方へ手を回した。 「秀也……」 自然に抱きついてしまう。 彼もあたしの背中に腕を回してくれる。 「そう呼んでみたかったの……」 あたしは彼の肩に顔をつけた。 「いいよ、……呼んでよ」 水城くんの優しい声。 「………」 だけど名前で呼ぶのは気恥ずかしかった。 あたしにとっての普段の水城くんは、同じクラスの男の子で部活も一緒の仲間って感じだったから。 「佳奈美」 もっと近づくように、抱きすくめられる。 「………」 水城くんの背中を触る私の手。 彼の皮膚の感触はすごく気持ち良かったけど、快感を感じる、っていうのとはまた違ってた。 どうして手を触りあうと、あんな風になってしまうんだろう。 あたしは彼の胸を触ってみた。 やっぱり普通。 「体を触っても、大丈夫みたいだな」 水城くんもそう思ってたみたいだった。 「そうだね…」 あたしは頷いたけど、自分の体で唯一、乳房を触った時にだけに感じることを思い出して、ちょっと恥ずかしくなってくる。 「………」 (あ…) 下を向いたあたしの視線の先、タオルを巻いているのに大きくなってるのが分かる水城くんの塊が目に入ってしまう。 恥ずかしくて上を向くと、水城くんと目が合う。 彼もあたしが見ていることに気がついたみたいだった。 「……」 水城くんは黙ってあたしの手を自分のモノに触らせた。 「あっ、……あっ?」 (うそ……) 初めて触るその感触。 固いのに柔らかくて、体温を感じるそのかたまり。 …恥ずかしすぎて、その部分は見れなかった。 だけど目をそらしても、手の中にある感触から彼の形を想像してしまう。 そして、……彼のそこを触った時、あたしの手のひらはまた敏感になってた。 「触っても……平気?」 彼があたしの耳元で言った。 「わ、…わかんない…」 多分平気じゃなかった。 あたしの手の中で大きくなってる彼のものが、違う熱さであたしの手に熱を伝える。 「佳奈美……」 水城くんがあたしの手を上から握ってきた。 「……だ、ダメだって…水城、くん……」 ソファーに半分もたれながら、あたしは水城くんに体を寄せて横を向いていた。 二人の体の間にある、二人の手。 その中心には、水城くんの勃起したものがある。 (どうしよう……) 手で触れている彼のもの…もっと触ってしまったら、きっとあたしは感じてしまう。 その手は、上から彼に握られている。 手が彼の手に触られているというだけでも、…あたしは快感への期待が高まっていく。 それなのに。 「やっ……ちょっと…、ダメっ!」 水城くんはあたしの手を握った手を動かした。 「だ、……だめっ…あっ…」 あたしの手は彼のものを握り締めた状態で、彼の手で上下に動かされる。 彼のものを擦ってしまう。 「あぁっ、…あっ…あぁんっ…!」 手で手を触られるよりも、もっと感じた。 耳元から首筋へと、ザワザワした感覚が駆け抜ける。 そして背中からもっと下へ向かうその感じは、あたしを濡らしてしまう。 今、ドロっと自分の中から溢れ出たのが分かった。 「ダメっ、ダメダメっ、…ほんとにっ、…ダメっ」 体がビクビクしてしまう。 感じてしまう。 水城くんは分かっているはずなのに、あたしの手を離さない。 そしてその手で彼のモノを擦らされる。 それはすごい感触で、……猛烈な快感をあたしに与えた。 「お、…お願い、……やっ、やあっ!」 「はぁ……」 彼の口からも、ため息が漏れる。 改めて、すごくいやらしいことをしているのを思い知る。 手から伝わる熱さ、そして固さ…。 ………彼も気持ちがいいんだ。 水城くんはあたしの手を強く握って、更に上下に動かす。 手のひらから体へと向かう快感がどんどん増してしまう。 彼のものを握るあたしの手が痺れてくる。 あたしの手を握る水城くんの手も熱い。 内側と外側から挟み込まれた快感が手のひらから送られて、そして体が感じてしまう。 あたしは首を振った。 声が止まらない。 「あ、あ、あっ、…あんっ…あっ…あっ…あっ…」 (すごい……) あそこを触られてるわけでもないのに、あたしはどんどん溢れてくる。 そして猛烈に感じていた。 触れられていないはずのクリトリスまで、すごく気持ちが良かった。 (どうしよう……) また、イってしまいそう。 「う……うん…」 水城くんが声を漏らす。 その声が引き金みたいになって、あたしはビクンと跳ねてしまう。 「ああっ!ダメ、ダメっ!……ああっ、あぁん!」 あたしは水城くんにされるがまま、彼のものを手のひらで擦った。 熱い彼のもの。 さっきまであたしに入っていたもの。 そしてそれはすごく固くなってる。 (ああ……) 快感が体の中で裏返る。 「あぁっ!あぁぁんっ!!」 あたしはまた達した。 離した手に、生暖かい感触があった。 「はあ、はあ……」 水城くんよりもあたしの方がずっと息をきらしていた。 明らかにイってしまったのは彼の方なのに、あたしは彼を握った手のひらだけでイッてしまった。 バカみたいで恥ずかしい。 あたしは体に触られてもいないのに。 「………ああ……」 彼から手を離しても、あたしは震えていた。 「…大丈夫?…佳奈美…」 水城くんがあたしに声をかける。 あたしは恥ずかしかった。 「なんで……」 水城くんが感じてくれたのならそれでいい。 だけど、触れられていない自分がこんなにも感じるなんて、どう考えてもおかしい。 どうしてこんな風に感じてしまうのか分からない。 自分のおかしな性癖を改めて思い知らされる。 まだ体中に残る快感でさえ、あたしを落ち込ませる。 「……怒った…?」 顔を上げると、水城くんは心配そうにあたしを見ていた。 「ううん」 あたしは即座に首を横に振った。 「……佳奈美も感じたの?」 彼の言葉に、一瞬あたしは言葉に詰まる。 「………うん」 あたしは頷いた。 水城くんの手が伸びる。 「なんか……」 そう言いながら、水城くんはあたしを抱き寄せた。 「………」 抱きしめられるのは嬉しかった。 「佳奈美には悪いけど、そういうの、……可愛い…」 「……」 あたしは複雑だったけど、『可愛い』と言われたのは素直に嬉しい。 「水城くん……」 あたしも彼に腕を回した。 抱きしめあう。 そして自然に唇が重なる。 (あぁ、好き…水城くん) 裸の彼の胸、すごく気持ちがいい。 柔らかい彼の唇。 キスするのも、すごく幸せだった。 (あ…) ピンク色のバスタオルを落とされて、裸にされてしまう。 「あ……えっ…?」 彼がソファーから降りる。 そのままあたしの足元に座り込む。 「やっ……えぇっ…?」 水城くんはあたしの膝を掴んだ。 これって、もしかして…… 「あっ…!」 彼はあたしの膝を開く。 そして顔をゆっくりとそこへ近づけた。 (恥ずかしい…) あたしは思わず自分の顔に手をやる。 (ああっ………………) この感触。 裸にされるだけでも恥ずかしいのに、…彼の舌が、あたしのあんなところに。 「やぁっ、あぁんっ……」 さっきまで手のひらから来る快感であんなに感じていたその場所が、今、直に触れられている。 そこはそうされるのを待っていた。 (ああん……) 気持ちが良かった。 体は中途半端に感じたまま絶頂を迎えたけれど、あたしのあそこはこうされたかったに違いなかった。 よく分からなかったけれど、彼の舌はきっとあたしのクリトリスを舐めてる。 感じてしまう。 今度こそ、ストレートな快感で。 彼がそこに口をつけながら言った。 「気持ちいい…?」 「うん……気持ちいい…」 手のこともあって、あたしは水城くんには素直に自分の感じを言うことができた。 ふと目を開けて下を見ると、彼の顔があたしの足の間にある。 「……!…」 彼と目が合ってしまう。 こんなアングルで。 …すごく恥ずかしい。 「………」 彼はあたしを見ながら、またそこを舐め始める。 「あっ……、あぁんっ…」 あたしはすごく興奮して、余計に感じてくる。 恥ずかしくて水城くんを見ていられなかった。 「うぅんっ、…うぅ、…あぁんっ…」 さっきとは明らかに違う感覚。 もっともっと……して欲しくなってしまう。 ちゅっ、くちゅっ… 彼の舌と、あたしのそこが合わさる音がする。 「はぁ、あぁんっ……」 (すごい……こんな感じなんだ…) 舐められるのって、すごく気持ちがいい。 恥ずかしいのに、もっとして欲しい…。 「あっ…!あっ!」 彼があたしの手に手を伸ばしてきた。 あたしは水城くんに引っ張られるまま、自分の太腿へ手を落とす。 「あぁんっ!」 水城くんは両手で、あたしの両方の手のひらを触った。 (ダメダメ……そんなっ…) あたしは首を振った。 それでも水城くんはあたしの手を握りしめている。 「んあ、あ、あっ、…うあっ、あぁんっ…」 舐められながら、手のひらまで触られてる。 手からくる感じ、そしてあそこを彼の舌で愛撫される感覚…。 「やっ……、ダメ……、ダメ…水城くんっ…」 水城くんがあたしの手のひらを揉む。 ただそれだけの事なのに、あたしはバカみたいに感じてしまう。 指先から優しく包まれて、そして手のひらを撫でられる。 くすぐったくて、だけど気持ちがよくて、…その感覚があたしの体に到達するとき、それは快感に変わってしまう。 「ああ、…あぁんっ、あぁっ…」 水城くんの舌があたしのクリトリスを押す。 そして敏感なその部分を振動させる。 (ダメダメっ、……気持ち良過ぎるよ…) つま先までビリビリしてくる。 「うあ、うあ…あぁ…」 あっという間だった。 気持ちを抑える前に、快感が突き抜けていた。 「うあ、うあぁんっ!」 背中をソファーに大きく仰け反らせて、あたしはまたイってしまった。 両手をしっかりと彼に握られて、あそこに口を付けられたままで。 「…………」 フラフラしているあたしを、水城くんはベッドまで連れて行ってくれた。 あたしは崩れるようにラブホテルのベッドに沈み込んだ。 さっき腰を上げた時、ソファーに大きく染みがついていた。 あんなにも濡らしてしまったのかと思うと、余計に恥ずかしくなる。 「水城くん……」 あたしは薄目を開けて彼を見る。 彼は黙ってあたしの髪を撫でてくれていた。 (きっと、あたしのこと……エッチな女だと思ってるだろうな…) 今日が初体験なのに、あたしは何度もイってしまった。 それに、……自分がどういう風に感じたのか分からないぐらい乱れてしまった。 感じ出してくると、頭が真っ白になってしまう。 彼に軽蔑されていないだろうか。 「……少し休めば……寝ちゃっても、いいしさ」 水城くんは優しい声で言ってくれる。 「うん……」 あたしは素直に頷いた。 実際、もうヘトヘトだった。体中がダルい。 あたしは目を閉じた。 (感じちゃった……) 想像よりもずっとずっと、苦しいぐらいの快感。 (でも……良かった……) あたしは、すごくエッチなんだと思った。 今だって、水城くんにもっとして欲しいと思う自分がいた。 (あああ…) 心の中でため息をついた。 結ばれてしまった……これからのあたし達。 今日知ったあまりにも甘美な快感。 (怖い…) 溺れてしまいそうな自分自身が怖くなる。 頭の中が彼でイッパイになる。 水城くんが好き。 彼の体も好き。 もっと側にいたい。 もっと触ってほしい。 そして……。 髪を撫でてくれる水城くんの手の優しい感触を感じながら、あたしは自分の手のひらを握り締めた。 |
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